琉球漆器と木工芸専門店
漆塗工房ぬりトン
再建中の首里城にて漆塗りに従事する
漆塗工房ぬりトン・森田哲也さん
コロナ禍での伝統工芸作家の在り方
首里城再建を担う
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実際に漆塗りで使用される刷毛(はけ)。刷毛自体を作ることのできる職人も稀有なため、その取扱は丁寧を極める。森田さん自身もカスタマイズしながら、永く使い込んでいるという。
凛とした美しさ纏う
開業当初は、首里城の修復作業を軸に、創作活動を地道に続けていた。そうしてバイヤーの目に留まり、県内外でも催事イベントにも出品できるようになる。凛とした「ぬりトン」の漆工芸品の美しさは、手に取った人の心に響き、漆作家としての地歩を盤石にする。漆の産地もあってか、北陸のイメージが強い「漆塗り」だが、実のところ作業的には高温多湿な沖縄がマッチしているという。一方で、山の少ない沖縄では木材の供給量が乏しい。しかし、台風後の倒れた木々の廃棄分を譲り受ける事もあり、「沖縄らしさ」が伝統工芸文化を支えている。 |
展示会などで並ぶ品々を一同に配置する。一つひとつの美しさに加え、祝いの食卓のごとく、調和のとれた並びは圧巻。洗礼された漆工芸品だが、実は使い勝手よく長持ちもするという。そこに盛られる料理をイメージするだけでも楽しく、食を彩ってくれるだろう。
ご夫婦で担う創作活動の夢木工品の制作作業と、漆塗りの作業をご夫婦で担う「ぬりトン」、お二人曰く…見た目の美しさはもちろん、手に持った時の軽さ、口に運んだ時の舌触り、金属と違う柔らかな音…直に感じてほしいという。コロナ終息後の夢を聞いてみた。工房横にある中庭で「漆の器の口触りが楽しめる品評会を開き、地元八重瀬町の品々をふるまい」と。コロナ禍で展示会縮小の影響があるものの、巣ごもり需要とオンラインショップの稼働で、制作量はコロナ前の70%程に留まっている。沖縄発の漆工芸品のこれからが楽しみだ。 |
琉球漆器と木工芸専門店
漆塗工房ぬりトン
〒901-0516
沖縄県島尻郡八重瀬町字仲座834-2
お問合せ: nuriton2006@gmail.com
Photo:Kahori Sasaki
Cording:Miz Tomari
Direction&Writing:Seike Ken