全国誌「月刊ランナーズ」発行し、
多くのマラソン大会運営株式会社アールビーズ沖縄事業所
「いとまん平和トリムマラソン」など運営にも携わる
2021年5月23日開催予定だった「ランネット駅伝沖縄」
緊急事態宣言発令を受けて中止に・・・その決断まで葛藤
ランネット駅伝沖縄豊見城市にある『オリオンECO美らSUNビーチ』は、海水浴とバーベキューが楽しめる人気スポット。ビーチ内をランニングコースに開催されてきた「ランネット駅伝沖縄」。コロナ前まで開催7回を数え、多い時では約2000人がエントリーする。参加者も多様で、ランニングクラブ・社内のジョギング仲間・ファミリーでの参加と、大人から子供まで元気に汗をかく。2020年のコロナ禍を教訓に、万全の体制で準備をしてきた2021年の第8回だが、事態は急を要する。 |
一年を通して、多くのイベントが開催される人気のビーチ。那覇空港近くとあって上空には離着陸飛行機が行き交う。砂浜の波音、子供たちの声援、空を埋めるジェット音が独特のブレンドを生み出し、大会を彩る。
大会3日前に中止を決断大会1週間前、全国的に陽性者の数は増える。大阪・東京に続き沖縄にも不穏な空気が。「県が政府に緊急事態宣言の要請を出すのでは」との情報に、大会事務局・棚原由介ディレクターは覚悟を決めたという。東京本社とも協議をし、開催のあらゆる可能性を模索する。しかし大会3日前、宣言発動が確定。まさに開催日5月23日からの緊急事態宣言、有無を言わず中止を決断した。選択肢は無かった。 |
大会ディレクターの棚原氏、その周りには段ボールの山…エントリーしてくれたランナーの皆さんへの返礼品(Tシャツ・健康食品・トートバッグ等)だという。梱包作業の多さはそのまま、市民ランナーの無念の数だ。
どうしても開催したかった1年かけて感染対策も徹底し、後援の豊見城市や会場管理事務所、沖縄県スポーツ振興課とも入念に協議してきた。年5回ほど運営してきた主要なマラソン大会も、昨年はすべて見送った。「どうにかコロナ禍でも開催したかった。」棚原氏は振り返る。「マラソンを通しての社会貢献が当社の使命だから」と。しかし経費の負担も重くのしかかる。次回夏の大会に向けて動き出しており、ジレンマは隠せない。「こうすれば大規模イベントもやってよい」政治がガイドラインを明瞭に発信してくれればと、梱包作業に勤しむ棚原氏の手は重い。 |
Photo:Shinji Miyahia/R-bies
Cording:Shinji Miyahira
Direction&Writing:Seike Ken